の多くの大切な機能については以前、お話をしています通り、嗅覚、吸気の加温・加湿、浄化作用があります。睡眠中に、鼻が詰まり、口で呼吸を行った翌朝はのどが痛くなるという経験を一度はされたことがあるのではと思います。これは、口には加温・加湿、浄化作用がないためです。大人に比べ顔面の大きさが小さい子供の場合、鼻呼吸ではなく口呼吸を常に行うことでさまざまな弊害をきたします。

子供の場合、鼻が詰まり口呼吸となると、重症のいびきと睡眠時の無呼吸状態が伴うと言われています1)

また、鼻呼吸障害が生じることにより酸素の交換がうまくできない状態がつくられ、それにより顔やあごの成長に影響を与えます。その結果、副鼻腔の形態も悪化し、顎の発育に影響をきたし、さらなる睡眠時無呼吸の原因になると報告2)もあります。

子供の場合は発達面にも影響があります。

夜尿症、成長障害、摂食障害、学習障害との関連もいわれております。

鼻が詰まり、口を開けている状態:鼻呼吸障害をきたす疾患名はさまざまあげられますが、代表疾患名として、アレルギー性鼻炎、鼻副鼻腔炎、アデノイド増殖症があります。それ以外にも子供特有の生まれつきの疾患、異物、腫瘍(しゅよう:できもの)の可能性もあります。

常に口をあけて呼吸をしている場合には一度耳鼻咽喉科にご相談くださいませ。

1.Kono A, Togawa K, Hoshino T: The effect of nasal obstruction in Infancy and early childhood upon ventilation. Laryngoscope, 90(4):699-707, 1980.

2. Kikuchi M: Orthodontic treatment in children to prevent sleep-disordered breathing in adulthood. Sleep Breath, 9(4):146-158, 2005.     

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