睡眠時無呼吸症候群は、加齢とともに増加し、高齢者においては10%-30%の方で認めると言われています。

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と認知症は合併しやすいこと、アミロイドβがふえること、認知症の発症にOSAが影響を及ぼしていることが報告されています。

OSAのために、睡眠が分断化されるため、深睡眠の減少など睡眠の変化が認知機能に悪影響を及ぼすためだと言われています。”日中の眠気”も血管性認知症の発症リスクと報告されています。

また、2014年に発行された閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断基準の1つに、「認知機能障害の有無」も加えられています。

その他として、冠動脈疾患や糖尿病、高血圧、気分障害、脳卒中などがあることが、OSAの診断に必要な項目の1つに挙げられています。

OSAの方の認知機能の低下には、注意力の維持困難、覚醒度の障害、記憶力の低下などが知られています。

またOSAの治療としての経鼻持続陽圧呼吸療法(CPAP)によって認知機能を改善させうるという報告もあります。

歳重ねているから、しょうがない。。。というのではなく、OSAに気づき、診断、治療することは、認知症発症予防にもつながると考えられます。

Am J Respir Crit Care Med. 1998; 157: 144-148

Sci Rep. 2015; 5: 13917

— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — —
佐賀県嬉野市の樋口病院
専門医による脳神経(頭痛、パーキンソン病、認知症など)の治療や、生活習慣病などの一般診療まで
~脳神経内科・内科・小児科・循環器内科・消化器内科・耳鼻咽喉科・整形外科・リハビリテーション科~

〒849-1411
佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲1番地
tel:0954-66-2022
受付時間: 8:30~12:00/13:30~17:00
https://higuchi-hospital.com/

— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — —