以前、急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)のお話をしました。今回は中耳炎の中でも滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)のついてです。
中耳炎(ちゅうじえん)という言葉は、一度は耳にしたことがあると思います。おそらく、一般的に知られている中耳炎は幼少時にかかりやすい急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)のことだと思われます。今回は同じ中耳炎でも痛みのない中耳炎について話をします。
滲出性中耳炎とは、鼓膜穿孔(こまくせんこう:鼓膜にあながあいた状態)はなく、中耳腔に貯留液がある状態のことです。
原因は中耳の換気障害です。急性中耳炎、副鼻腔炎など急性炎症の治っていく過程で起こる場合やアデノイド増殖症や上咽頭癌の場合などがあります。
症状は
大人の場合は、聞こえにくい(伝音難聴;過去コラム参照ください)・耳がつまった感じ・耳の圧迫感など自覚し耳鼻科受診することが多いと思われます。
小児の場合は、大人と同じように症状を訴えることが難しいこともあり、家族が気付かないこともあります。また、伝音難聴があることで、言語発達・学業面・行動面に影響がでてくることがあります。
治療は
保存的療法と手術療法があります。
保存的療法は投薬と通気治療(かぜとおし)です。
手術療法は鼓膜切開術・鼓膜ドレーンチューブ留置術があります。
痛みがない中耳炎なのであまり気付かれにくい中耳炎です。放置していると鼓膜が陥凹(かんおう:ひきこまれる)し、鼓膜と中耳腔がくっつく中耳炎や鼓膜が陥凹している場所にゴミがたまって周りの骨を溶かしていく中耳炎への移行の可能性があります。
滲出性中耳炎と診断された場合はしっかり治療をうけるようにこころがけてください。
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佐賀県嬉野市の樋口病院
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