パーキンソン病の治療は内服(飲み薬)や貼付剤(張り薬)で開始されます。

パーキンソン病治療薬の内服開始後2年~9年経過しますと、50%~70%の患者さんに、運動合併症と呼ばれる、お薬が効いて動きやすい時間帯(オン)と、お薬の効果が切れて、動きにくい時間帯(オフ)が出現するとする報告があります。またジスキネジアと呼ばれる不随意運動も伴うことがあります。

パーキンソン病の進行期とは、寝たきりの状態を指すのではなく、現在では、「L-dopa製剤を1日5錠以上内服している、もしくは、オフ時間が1日2時間以上ある、もしくは、日常生活に支障のあるジスキネジアが1日1時間以上ある」状態であると報告されています。

こういった進行期のパーキンソン病治療においても、L-dopaが中心の薬剤ですが、それ以外にも現在は様々な治療選択肢があります

お薬以外の医療機器を用いたパーキンソン病のデバイス治療もその選択肢の1つです。

私はデバイス治療の1つである脳深部刺激療法を学ぶために、その分野を世界的にリードしている米国フロリダ大学に留学し、良い治療結果をうみだすためのチーム医療体制、最先端の治療法、どういった方がその治療に適しているのかの判断の仕方、治療を受けた後のメンテナンスの仕方など、数多くの経験を積んできました。

また、前任の病院では、レボドパ・カルビドパ配合経腸用液(LCIG; デュオドーパ®)というチューブを用いた進行期治療法の新規導入に携わってきました。

こういったデバイス治療はいままで、佐賀県内では施行することが出来ず、県外の病院にご紹介してまいりました。

今回、我が国でも使用可能となった新しいデバイス治療法の1つであるヴィアレブ配合持続皮下注の導入を当院で行いました。当院は日本でこの治療を導入している施設としては最小規模かもしれません、しかしながら、各職種スタッフの学ぶ意欲は高く、スタッフ間のコミニケーションは活発で、1つのチームとして患者さん、治療に向かい合うことができます。現状に満足することなく、さらにこれからも成長、カイゼン(KAIZEN) していきたいと思います。

現在も、パーキンソン病の進行期治療に適した治療方法があるということを知らずに過ごされている方々も沢山いらっしゃると思います。

少しでもより良い毎日を送って頂くために、より良い治療選択肢を、これからもご提案してまいりたいと思います。

パーキンソン病の治療法についてお聞きになりたい方は遠慮なくおたずねください。

理事長

https://parkinson-smile.net/facilities_search/area6/?t=saga

 

Fabbri M, et al. Mov Disord. 2018; 33: 1528-1539.

Antonini A. et al. Curr Med Res Opin. 2018; 12: 2063-2073

 

— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — —
佐賀県嬉野市の樋口病院
専門医による脳神経(頭痛、パーキンソン病、認知症など)の治療や、生活習慣病などの一般診療まで
~脳神経内科・内科・小児科・循環器内科・消化器内科・耳鼻咽喉科・整形外科・リハビリテーション科~

〒849-1411
佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲1番地
tel:0954-66-2022
受付時間: 8:30~12:00/13:30~17:00
https://higuchi-hospital.com/

— — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — — —