加齢などの影響もあり、高齢者は健常な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに生活機能が全般に衰える「フレイル」という状態になります。その時期が進行すると要介護状態となっていきます。

フレイルの定義の1つに筋力(握力)の低下というものがあります。そのため、予防としては、筋肉量の維持ということになると思います。

筋肉をつけるのにいい方法として、負荷をかけた筋肉トレーニング(筋トレ)運動をして、それとタンパク質(アミノ酸)を同時、もしくは運動後1時間程度に摂取することだと言われています。

タンパク質摂取量が少ないことは、3年後の筋力低下と関連していたとする報告、日本人においてもタンパク質の摂取量が少ないとフレイルの出現リスクが高まるという報告もあります。

中高年の時は、肥満やメタボ対策として、食事の量を控えたり、カロリー制限を心がけてらっしゃると思いますが、高齢になると、逆に栄養不足は、筋力低下、要介護状態、健康状態の悪化につながります。

高齢者においては、十分なタンパク質の摂取が必要となります。注意点としては、腎臓の機能が落ちている場合には、高タンパク食を摂取しすぎると、より腎臓の機能が落ちてしまうということがあります。通常は、毎食良質なタンパク質を25~30g摂取することが筋肉にも良いタンパク摂取量と言われています。

良質なタンパク質として豚のヒレ肉、鶏肉、赤身肉などおススメです。様々な栄養素をバランス良く食べるのが良く、決して遅すぎることはありません。歳をとってからも肉を食べましょう!

J Am Geriatr Soc 2012; 60: 480、Nutr J 2013; 12: 164より

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