~便秘とパーキンソン病の関係~

パーキンソン病は脳の黒質という場所に異常がおこり、ドパミンが少量しか作られなくなることで身体の動きが悪くなります。

その始まりが、脳ではなく腸なのか?

2015年のLancetという医学雑誌に報告された大変重要な論文において、便秘はパーキンソン病の運動症状(ふるえや動かしにくさなど)が出現する

20年前から始まっていると述べられています。

また、ハワイからの調査報告では、便が1日2回出る人たちと比較して、毎日排便がない人たちは4倍パーキンソン病になりやすい、

また別の米国からの報告では便秘があると6.5 倍パーキンソン病になりやすいとする報告もあります。

一見関係の無さそうなこの腸とパーキンソン病。これはパーキンソン病が全身病であることの証明でもありますが、

腸の神経にパーキンソン病の発症に関係する変化が起こり、その物質が脳に向かって伝播していくのではないかという仮説があります。

腸に注目することは、パーキンソン病の発症や進行をくい止めるための重要なヒントを与えてくれるかもしれません。

Lancet. 2015; 386: 896-912、Neurology 2001; 57: 456-462、UEG journal 2016; 4: 142-151

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